13.無収縮モルタルに注意!

【無収縮モルタルは収縮する】
◆名前場無収縮でも乾燥収縮に対しては考えられていないため乾燥する箇所では収縮する!
断面修復に無収縮モルタルを使用する書籍は多いが、実際使用するとひび割れが生じる.
⇒使用するなら無収縮モルタル『低収縮タイプ』または『NEXCO型枠充填工法』適合品の材料を選ぶ

【乾燥収縮の試験方法】##################
NEXCO JHS312 無収縮モルタルの膨張収縮
⇒7日間容器に入れたままの状態で収縮しなければOK!=乾燥しない状態

【そもそもの開発目的】##################
①流動性が良い
②ブリージングが出ない
③間隙に充填した場合に隙間が空かない。⇒乾燥収縮は考えていない。

【単位水量と収縮量の規格】##################

規格単位水量上限値収縮量
土木学会規格

175kg/m3以下材齢90日:1000μ以下 
自己収縮を含む場合:1200μ以下
日本建築学会基準


185kg/m3以下材齢90日: 標準⇒800μ以下
      高級⇒650μ以下
      特別⇒500μ以下  (膨張材の使用によって)
一般的な無収縮モルタル
(S/C=1モルタル)
規格無し規格無し 
材齢90日の目安2000~3000μ程度
(1mで2~3㎜程度)

◆日本道路公団JHS312 (昭和30年代に規格化)
 ↓↓↓
・日本道路協会 道路橋支承便覧 ・JR各社の仕様書
・国土交通省 特記仕様書    ・建築共通仕様書
ほぼ同じ試験方法で各機関が規格化

検査項目品質規格値
①外観異物の混入がない事
②コンシステンシーJ14ロート8±2秒
③ブリーディング率2時間後2%以下
④凝結時間

始発

終結
1時間以上

10時間以内
⑤膨張収縮率材齢7日収縮を示してはならない
⑥圧縮強度

材齢3日

材齢28日
25N/mm2以上

45N/mm2以上
⑦鉄筋との付着材齢28日3N/mm2以上

写真 無収縮モルタル Jロート試験状況

【配合条件】##################
◆汎用品タイプ 建材店に普通においてあるタイプ
 セメント:砂=1:1  S/C=1 
W/C=34%程度 W=323kg/m3,C=950kg/m3程度
 ↓↓↓
◆水和熱抑制タイプ
 セメント:砂=1:2  S/C=2 
W/C=48%程度 W=304kg/m3,C=630kg/m3程度

※セメント量が落ちるので、水和熱による温度ひび割れも生じにくい。

【その他】##################
◆「乾燥収縮率」=「硬化収縮率」=「寸法安定性」=「長さ変化率」

◆1mで1㎜変化する場合、「1000μ」=「1×10^-3」=「0.10%」

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