27.鋼桁のケレンと塗装

一般的には、塗装の塗り替え時には活膜を残した3種ケレンが実施されている。しかし、程度によっては1種ケレンと同程度のケレンを実施するのが望ましい時もある。
【語句説明】黒皮(ミルスケール)・・・鋼材表面に生成される酸化物被膜のこと。
活膜・・・旧塗膜のうちしっかりと密着しているもの。素地に対する付着性を保ち、保護膜として機能する塗膜のこと。

種類塗膜除去等の内容作業の内容
1種ケレンさびや旧塗膜を完全除去し鋼材面を露出させる。細かい砂や金属片などの研磨剤を高い圧力で打ち付けて表面を磨く「ブラスト法」を用いるため、防食効果は大きいが、粉塵の飛散や騒音など周辺への影響が大きい。
2種ケレン錆や旧塗膜を除去して鋼材面を露出させる。ディスクサンダーなどの動力工具や手工具を使ってさびや汚れを除去する。職人の手作業で行うので作業時間がかかり費用も高くなるので実用的でない。
3種ケレン旧塗膜のうちしっかり密着しているものを「滑膜」として残し、さびが発生している面やひび割れたり膨れたりしている旧塗膜を除去する。作業は、2種ケレンと同様に動力工具や手工具を使ってさびや汚れを除去する。ちなみに、ひび割れたり膨れたりしている状態の旧塗膜は「死膜」などと呼ばれる。
4種ケレン活膜は基本的に残し、それ以外のさびが発生している面やひび割れたり膨れたりしている旧塗膜を除去する。汚れを落とし、軽く目荒らしすることが主となる。目荒らしとは塗膜の食いつきを良くするために表面に凹凸をつけることをいう。作業は2種、3種と同様に動力工具や手工具を使用して行う。
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