【一般論】
・打設温度、環境温度が高くなると強度は低下する.
⇒材齢初期に高温履歴を受けたセメント硬化体では、水和生成物の組織が粗くなり、その後の材齢の経過にともなう細孔構造の緻密化が進まないと言われている.
また、最高温度70℃以上での強度低下はエトリンガイトのモノサルフェートへの転移に伴う構造的な変化による可能性も報告されている.
(※参考文献1995年コンクリート工学年次論文集,高ビーライト系セメントを用いたモルタルの蒸気養生における強度発現性)
なお、高温の温度履歴を受けたコンクリートはDEFひび割れが生じる可能性がある。
【疑問】
マスコンクリートの温度解析を行なったりしていると、稀に部材内部の最高温度が100℃を超す結果が得られる.
実際に100℃を超える情報は得た.下記追記より.100℃を超えるような高温履歴を受けたコンクリートの力学特性は問題ないのか?
<現時点での確認内容>
(※参考文献 1996年コンクリート工学年次論文報告集 高強度マスコンクリートモデルの強度増進と温度・含水履歴より)
・材齢7日以降の強度増進がほとんど見られず、4週強度で標準養生を行なった試験体の約70~75%となった.(最高温度約96℃)
・部材内部の相対湿度は低下し、その後のセメントの水和反応が制限される.
・最高温度や温度上昇勾配の影響、セメントの水和反応の進行程度だけでなく、打設後温度上昇が始まるまでの時間に依存する可能性があることが示唆されている.
※追記:H28.9月 実際に現場での計測によりコンクリートの内部温度が100℃を超えたという情報を得た.
他にも実験で100℃以上となったことを見たことがあるとの話も聞くことが出来た.