| 種類 | 特徴 | せん断性係数 |
|---|---|---|
| 等方性材料 | すべての方向で同じ性質 | G x種類のみ |
| 直交異方性材料 | 3つの対称軸をもつ | Gxy,Gyz,Gzx の3種類 |
| 一般異方性材料 | 完全に方向依存 | 最大6種類まで異なる可能性あり |
■まず等方性材料(例:鋼、アルミなど)ではせん断弾性係数Gは1つだけで以下の関係で表される。
τ = G ⋅ γ
τ:せん断応力
γ:せん断ひずみ
G:せん断弾性係数(一定)
一方、異方性材料(例:繊維強化複合材、木材、積層板など)では、方向によって力学的性質が異なるため、せん断弾性係数も方向ごとに異なる。
■異方性材料—————————————————————————————————————–
基本の応力ひずみ関係

■せん断弾性係数の求め方————————————————————————————–
(1)実験的に求める
せん断弾性係数は、せん断試験やねじり試験から求めるのが原則
例:G12の場合
・x1-x2面(繊維方向など)に沿って純せん断応力τ12を加える。
・その時のせん断ひずみγ12を測定
・比から算出 G12=τ12/γ12
(2)複合材などの場合の理論推定式
異方性が繊維方向や層構造などで生じる場合、材料の構成要素(母材と繊維など)の物性値から推定することがあります。
たとえば一方向繊維複合材では:

・Gf :繊維のせん断弾性係数
・Gm :マトリックス(樹脂など)のせん断弾性係数
・Vf :繊維体積分率
(3) 応力–ひずみデータや剛性行列から数値的に求める(FEMなど)
有限要素解析や実験データから、剛性行列 Cij を推定できる場合は:
G23=C44 , G31=C55 , G12=C66
または逆にコンプライアンス行列から:
G23=1/S44 , G31=1/S55 , G12=1/S66 で求められる。
