マスコンクリートのひび割れ制御指針2025で大きく?変更された点についてまとめた。
- 照査方法について
これまであった安全係数(=ひび割れ指数)とひび割れ発生確率の図がなくなり、対策レベルの表がなくなった。照査方法として
①温度ひび割れを防止する場合の制限値(⇒発生確率を5%以下とする)
②温度ひび割れ幅を制御する場合の限界値(ひび割れ幅の算出式がこれまでと大きく変わった)

- コンクリートの打ち込み温度
これまで気温に関わらず外気温+5℃一定であったが、外気温によってコンクリート温度を算出する式が示された。
①普通ポルトランドセメント Ta=T+(-0.163T+6.07)
②高炉セメントB種 Ta=T+(‐0.147T+4.44)
ここに、 Ta:コンクリートの打ち込み温度
T:日平均気温(℃)(-1℃~38℃)
※上式には場内運搬時の温度上昇は考慮されていない。そのためポンプによる長距離圧送など運搬時にコンクリート温度が上昇することが想定される場合は、この温度上昇分を考慮する必要がある。

- コンクリートの圧縮強度
材齢初期に高温履歴を受けたコンクリートは、圧縮強度の増進がしにくくなるため、温度履歴によって低減する式が示された。
低減係数 p3=(-0.0046・Tmax+1.092)
圧縮強度 f’c(tn) = {p1+p2(C/W)}・p3

- DEFひび割れ防止のための照査基準
3つの条件すべてを満足した場合、DEFひび割れの照査を行うものとする。
逆に1つでも当てはまらなければ照査を行う必要は無い。
①水分供給 ②過剰な硫酸塩の混入 ③材齢初期の高温履歴

